お墓で最も重要なものは土です。
結界石で囲んだ内側は仏の世界であり、あの世の浄土の出張所であります。
仏や先祖がお越しになられた時の滞在所であり、大切な場所ですから汚れていてはいけません。
完全で清潔な聖域でないともったいないのです。
浄土の「浄」とは、微々たるほこりもない世界の意味です。
砂利などの目に見える粗大なものがあってはなりません。
浄土という単位は微塵よりも細かい物を表しているのです。
石棺内にけっして小砂利や砂石、セメントを敷いてはいけません。
墓とはすなわち土の意味です。
墓地が清浄な敷地であって、仏の寝室であるからには、
真綿や羽根布団のように安養な場所でなければなりません。
そのために山の真土や赤土を使用します。
少なくとも石棺の中はそうあるべきです。
どうして赤土を使うのかというと、
古来から赤という色には死者を悪霊から守る魔力があると考えられていたからです。
日本に仏教が入る前の古墳時代には、死は汚れて恐ろしいものと捉えていたので、
悪霊となって我々に災いを及ぼさないように、死体の上に重い石を乗せたり、
石の瓶に身体を曲げて納めたりしていました。
埴輪の「埴」は赤土という意味です。
死者を悪霊や侵略から守るために、赤土で焼いた埴輪を墳墓の回りに、
ガードマンとして警備に当たらせたわけです。
最近発掘された藤ノ木古墳の石棺内の朱色彩色にも、おなじような意味が込められています。
女性の口紅も、もともと口から侵入する悪霊を防ぐために塗られたものです。
女性の口紅には、そんな意味があったのですね~
次回は、結界石の意味についてお知らせしたいと思います。
写真:藤ノ木古墳
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