昨今、お墓の向きは南東がいいという説が定着しています。
そのために南東に向けられない墓地は、墓石だけでもそう向けようとして、
残念な姿をさらしているところもあります。
お墓は仏さまをお迎えしたからには仏塔でありますから、本来、仏の座に東西南北はありません。
仏は宇宙の根幹であって、東西南北四方八方におられます。
曼荼羅の世界観を考えてみてください。
宇宙のすべてが仏界であって無仏の世間はありません。
墓石を結界石(外柵)で囲めば、そこが浄土であり、仏を安置した場所は最上の極みの場所になります。
仏さまのおられるところを「北極」と考えればよいでしょう。
そこには南しかありません。東西南北がないのです。
しかし、宗教を離れてみれば、上座下座はつきものです。
ご本尊をお迎えするからには最上段にお祀りしなければなりません。
賓客としておもてなしをするのです。
インドの地形を思い浮かべていただくと、古来ヒマラヤのある北を神々のいる聖なる座として尊び、
人々の住まうデカン高原の南位を下座と考えてきました。
「天帝は南面する」とか「剣道の指南をする」「北面の武士」という言葉は、
聖なるものを北とし俗なるものが南に位置するという考えの名残りです。
仏さまや先祖を北の上座に位置づけるためには、俗人は下に居て対座します。
かといって必ずしもお墓を南向きに建てることにこだわる必要はありませんし、
西に向けたところで家が絶える根拠にもなりません。
なぜなら仏塔を建てれば八方世界をあまねくてらしたまうからです。
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安芸郡熊野町出来庭6-2-4
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