五輪塔の正面地輪には普通「○○家先祖代々」と書かれます。
これは「為何々家先祖代々供養」の意です。
そこには供養塔という言葉はありません。
五輪塔は何もわざわざ供養塔と書かなくても供養塔なのです。
多くの家を訪ねても「山田太郎之家」という表札はありませんし、「山田太郎之仏壇」という仏壇もありません。
誰が見ても家であり仏壇であるからです。
墓は一体どういうわけか、わざわざ「○○家之墓」としています。
墓といちいち断らねば墓と見てもらえないのでしょうか。
「墓」と書けば単なる死者を葬る場所になってしまいます。
仏を迎えることによってその機能が働くからには仏塔であるべきです。
仏を迎えるのですから供養塔の要素も含んでいて当然です。
その仏塔を単なる墓に格下げする必要もありません。
一基で建てて「五輪塔+位牌墓」の様式を兼ねる供養墓にしても、頂部に仏種子を刻んで何々家先祖代々としておきます。
墓と刻まずに「代々」で止めておくのです。
墓は記念碑でなく仏塔ですから、メモリアルアートであっては困るのです。
墓と書くのはよくないといっても「山田家」だけの墓石も困ります。
宗教性のない墓は全く無意味であって、それはせっかく建てても徒労に終わってしまいます。
仏を迎えた仏塔は先祖の供養のためですから、第一座は仏と「○○家先祖代々」と刻み、右面より初代から夫婦ごとの戒名を刻み始めるのです。
何々家先祖代々の供養のための仏塔なのです。
写真:五輪塔
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