「ヒートショック」という言葉を知っていますか？急な温度差による体のショック症状のことです。ヒートショックは高齢者に起こりやすく、寒い冬場に起こりやすいのです。
　暖房のきいた部屋から寒い脱衣所で裸になり、冷えた浴室に入ると血管はびっくりして縮み、血圧が急激に上がります。そのまま熱いお湯につかるとさらに血圧は急上昇。しかし湯の中で体が温まることで血管が広がり、今度は逆に血圧は下がってしまいます。
　このように、血圧が急に上がったり下がったりすることが心臓に大きな負担をかけ、「ヒートショック」を招くのです。
　ヒートショックにより心筋梗塞や脳梗塞を起こして突然死したり、気を失ってお風呂で溺れたり転倒して大怪我をしたりといったこともあります。年間1万人以上の高齢者が亡くなっており、これは交通事故の死亡者数よりも多いのです。

(1) 脱衣所に暖房器具を置いたり、あらかじめ浴槽の蓋を開けておくなどして温度差をなくしましょう。
(2) お湯は41℃前後で、つかる時間は10分までを目安に。
(3) 湯船から急に立ち上がらず、ゆっくりと立ち上がりましょう。　血圧の急激な変動を避けることができます。
(4) 浴室から出る時には体を拭いた後に脱衣所へ出ましょう。
(5) 同居の家族のいる人は、一声かけてから入浴しましょう。